このブログを検索

2017/07/30

茨城県自然博物館には全てがある。

夏、三歳と一歳の二児を擁する我が家では毎週末葛藤が生まれています。

冷房の効いた我が家でゆっくり過ごすのはとても楽で、このまま閉じこもってしまいたいと思う一方で、せっかく子供と一緒に過ごす時間を無為に過ごすはもったいないとも感じます。
それでは、外に出かけようかと思ってみるものの、炎天下でミルクやおむつや着替えの大荷物をぶら下げたベビーカーを押しつつ、玄関を出た途端にどちらに向かうかわからない三歳児を制御する光景を想像するだけで、疲労感がどっと押し寄せてきます。

そんな育児の袋小路にはまってしまった我が家を救ってくれる存在。それが茨城県自然博物館なのです。

車を所有していない我が家ですが、車で出かけたい気分になったときのために、Honda Cars スムーズレンタカーオリックスカーシェアの会員になっています。(月額料金がかからないので)
更にはチャイルドシート二台とETCカードも保持しており、我が家には車以外の全てがあると言っても過言ではありません。

土曜日の朝八時に、今日は茨城県自然博物館に行くと決意して、Honda Cars スムーズレンタカーで九時から車を予約します。カーステーションまで歩くには距離があるため、折り畳み自転車に乗って向かい、自転車をトランクに積んで自宅まで車を運転します。
自宅で家族と荷物を積んで、いざ出発です。

SpotifyでLA LA LANDのサントラをかけつつ、走り出して10分もしないうちに、助手席に縛り付けた次男が夢の中に撃沈。まず一人。後部座席の長男は寝る様子がないですが、比較的静かにしているので良しとしましょう。
途中で若干の渋滞がありましたが、比較的スムーズに流れて一時間ほどで茨城県自然博物館に到着しました。

駐車場から入口まで歩いているときに、近くを歩いていた家族の小学生くらいの子供が「トリケラトプスを見るんだ。」と家族で喋っていると、「"トリケラトップス"みるの?」とごく普通に会話に参加する長男。そしてそれに普通に答える子供。人見知りの両親は、子供のコミュニケーション力についていけず、苦笑いしつつ向こうの両親に謎の会釈をしてやり過ごしていました。

入場を前にして、FKの際のクリスティアーノ・ロナウドと同程度に集中力を高める長男。

茨城県自然博物館には、全てがあります。
ここは博物館であり、動物園であり、水族館であり、公園です。

博物館に入ってすぐに展示されている高さ5.1メートルの巨大な松花江マンモスの骨格標本に、吹き抜けの空間で展示される高さ12メートルのメアセコイアの木と、高さ9.75メートルのヌオエロサウルスの骨格標本。
展示は宇宙の仕組みに始まり、地球の生い立ち、自然・生命の仕組み、人間と環境、そして茨城の生態系とどれもスケールの大きなものばかり。
その中で展開される展示も多種多様で網羅的。前述の恐竜の骨格標本以外にも、小動物の剥製や、「河川・湖沼・海の生態系」コーナーを見れば水族館にと同様の満足感を得ることができます。

長男はまず第一展示室「進化する宇宙」を何も観ないまま、一気に走り抜けて、吹き抜けのヌオエロサウルスと対峙していました。

続いて第二展示室「地球の生い立ち」でティラノサウルスとトリケラトプスの戦いに大興奮。「うがぁおぉぉぉ!」と恐竜に負けない咆哮をあげ、ティラノサウルスVSトリケラトプスVS長男の三すくみの様相を見せていました。

第三展示室「自然のしくみ」は、ベビーカーに乗った次男が色々な形をしたどんぐりを観て、「あー。あー。」と大変感心した様子でした。

第三展示室内の「水の生き物コーナー」では水族館さながらに河川~海にいる生き物を見ることができて、兄弟で魚たちの泳ぐ様子に見入っていました。

第四展示室「生命のしくみ」と第五展示室「人間と環境」はちょっと難しかったのか、ほとんど観ることなく一気に走り抜けて、一階の企画展示室へ……行くかと思いきや、また入口に戻る長男。どうやらティラノサウルス・トリケラトプスとの決着がついていなかったようで、展示室に戻って再び雄叫びを上げていました。

勝敗は謎のままでしたが、今度こそ一階に降りて企画展示室へ。
このときは昆虫展を開催していて、クワガタ派の長男は他の昆虫を一歳無視して、食い入るようにして様々な種類のクワガタを観察していました。

展示室を出たところにある、ガチャガチャをやりたいと長男が言うので、「どれをやりたいの?」と聞くとチョウチョのマグネットを指差す長男。隣に恐竜のガチャガチャがあるにも関わらず、昆虫展で一歳無視していたチョウチョを選ぶあたり、子供は本当に大人とは違う文脈で生きているのだと実感します。

館内を一通り周ると、ちょうどお昼時。館内にレストランもありますが、混んでいたので、いったん車で外に出ることに。
5分ほど車を走らせて、Googleマップで奥さんが検索してくれた「大利根レストラン」へ。
ローカルで親しみやすい雰囲気の食堂で、Googleでの評価4.5に違わぬ味とボリュームに次男も大満足。
「オムライスと唐揚げセット」の唐揚げがあまりにも美味しくて、唐揚げを追加注文してしまいました。

博物館に戻ってチケットの半券で再入場し、今度は15.8ヘクタールの広さがある屋外を散策します。
ボランティアのスタッフが敷地内に自生しているキノコを並べて展示していたので、「ほら、キノコが一杯あるね。」と長男に話しかけると「あっ、ハエだ!」と全然関係無いところに興味を示す長男。少し気まずい気持ちでその場を離れます。

長男は枝を拾って、適宜葉っぱと戦いながら、トンボやアメンボやチョウチョを見つけては歓声をあげていました。

次男はベビーカーを降りて、ブラジルの人に話しかけていました。

「夢の広場」には、子供が屋根の上で飛び跳ねることができるテントもあり、こちらも長男の大のお気に入りです。
またも長男は近くにいたお兄ちゃんに話しかけて、テントの下に行くのを手伝ってもらっていました。そのコミュニケーション能力を父に分けて欲しい。

テントで汗だくになったので、「水の広場」の流水で水浴びをします。
自然との触れ合いで開放され過ぎて全裸になろうとする長男を押しとどめて、ズボンだけは履かせることになんとか成功。二回ほど転んで泣きそうになっていましたが、気持ちよさそうに遊んでいました。
もう少し遊ばせたいなと思ってましたが、近くにいた人が「守谷の方は凄い雨らしいよ」と話していたので、雨雲レーダーを見ると、確かに雨雲が迫ってきていました。

帰りたがらない長男を説得して、手ぬぐいで全身を拭いて、着替えさせて車へ急ぎます。(広いので時間がかかる)
何とか雨には振られずに乗り込みようやく一息。ベビーカーを急いで押していた奥さんも汗をかいていたので、「ご苦労様でした」と手ぬぐいを渡してあげました。
(その手ぬぐいで長男の股間も拭いたような気がしますが、それは黙っておきました。)

帰路で豪雨に襲われながらも無事に帰宅。
一日遊んで疲れ果てた子供達、より疲れた僕は次男とともに八時前に撃沈したのでした。