風車と大仏

　茨城県の霞ヶ浦に行ったら、なぜか風車があった。オランダ式だった。
　なぜ千葉とか茨城の人は、必要以上に風車を建てたがるのだろう。
　たいした風も無いのに、風車は回り続ける。


　答えを見出せないまま、茨城県牛久市を走っていた。
　何者かの視線を感じた。
　木陰から、大仏がこちらを見ていた。


　大仏に引き寄せられるようにペダルをこいだ。
　落ち葉を蹴散らし、竹林を切り裂く。
　かつて無い速度が出た。


　大仏は霞ヶ浦に向けて、目からビームを出した。
　風車は霞ヶ浦もろとも吹き飛んだ。
　迷いは晴れた。


　ありがとう、大仏。