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2009/11/21

電車に音楽あらまほし

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 僕は常に憂慮していました。朝夕の通勤電車に漂うあの退廃的かつどこか殺伐とした雰囲気を。満員の車内にもかかわらず、誰とも目が合うこともなく、肘と肩と鞄で交わす無言の会話を。
 そして僕は思いました。この現状を打破するためには、車内に音楽をかける必要があると。
 思えば携帯電話で会話する声が気になるのも、おやじの口が定期的にチッチいうのが気になるのも、なまじ車内が無音であったからに他なりません。
 電車内に音楽を流すことで、これらのイライラから人々を解放し、またみなが一つの音楽を聞くことで醸造される一体感により、僕らの車内体験が劇的に向上することは間違いありません。

 ここで気になるのが選曲の方法ですが、それは曲を全車両で統一する場合と、車両ごとに分ける場合で異なってきます。
 まずは全車両で統一する場合ですが、このとき、選曲は当然その電車の車掌が行います。つまり、車掌のマイ・ベストを流すのです。
 当然人によって趣味趣向が異なりますから、人それぞれ合う合わないはあると思います。しかし、それも含めて「今日の車掌は当たりだ。」「またお前か。」などと、通勤客がこれまであまり意識してこなかった車掌の存在を身近に感じることができます。
 また、車掌にとっても、ともすると人を運んでいるのか物を運んでいるのか分からなくなってしまいそうな日々の勤務の中で、通勤客に対して自分の色を見せることができ、仕事に張りが出ます。また、「ドライブの曲ばかりかける」、「前奏で油断させておいて、歌はIKUZO」などのボケ甲斐も十分にあります。
 当然車掌は曲の紹介も行います。
「え~次は、天城越え、天城越えです。」

 一方、車両ごとに曲を分ける場合は、車両ごとにジャンルを分けるのが良いでしょう。「ジャズ専用車両」、「J-POP専用車両」といった具合です。
 このとき、車両の音楽に準じて車内マナーや設備を変更するとなお良いでしょうね。
 朝夕の通勤ラッシュ時の「ロック専用車両」ではダイブが認められることでしょう。また、「演歌専用車両」の座席は全てシルバーシートです。「ジャニーズ専用車両」では、おそらくみんなうちわ持参なので弱冷房車で良いでしょう。「アニソン専用車両」は秋葉原で切り離します。
 他にも、椅子がなく地べたに座る「フォーク専用車両」や、新しい物好きには「新人アーティスト専用車両」など可能性は無限大です。

 これに音楽業界からの売り込みなんかも絡めば、鉄道会社にとっても小銭稼ぎにはなると思うのですが、いかがでしょうか。