いつの頃からか、毎年この時期になると指がひび割れるようになった。写真は親指だが、人差し指と中指も同様に割れている。
指が割れない人にはわからないかもしれないが、指が割れていると日常生活に意外と支障が出る。筋肉痛になって初めてその筋肉が使われていることに気付くように、指の腹が日常で暗躍していることに気付く。
ペンでヒビが圧迫されて結構痛い。買い物袋が指に食い込んで相当痛い。目をこすると引っかかって痛い。
目下一番の悩みは、指紋認証をパスできないことだ。会社のパソコンはセキュリティに気を使っているというポーズのために、指紋で認証をしないと立ち上げることができない。
本来は指の真皮を読み取るので、表面のキズ等は関係のないはずだが、実際はそうではない。ある人は『人は見た目が9割』と言い、広瀬香美が「『性格良ければいい』そんなの嘘だと思いませんか」と言ったように、やはり外見(そとみ)が重用される世の中である。
僕は朝の30分を指紋認証に費やしている。指先がひび割れたくらいで失われる、僕のアイデンティティを求めて。