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2017/01/10

Eテレ「テクネ 映像の教室」は現代の「つくってあそぼ」である。

 Eテレで金曜日の22:45から放送されている「テクネ 映像の教室」という番組があります。放送時間は15分と短いですが、これがとても面白いです。私は現代の「つくってあそぼ」だと思っています。
 番組概要について、NHKのサイトから引用します。
「テクネ~映像の教室」は、それらの映像を制作の「技法」をテーマに体系化していく、クリエイティブ・エデュケーション番組です。
先日放送された「だまし絵2」の回では、Alexa Meadeの映像が紹介されていました。


 番組は基本的に以下の構成になっています。

  1. 今回取り上げる技法を宣言
  2. その技法を利用した映像作品紹介(その1)
  3. 技能について改めて言葉で説明
  4. その技法を利用した映像作品紹介(その2)
  5. テクネ・ワークショップ(アマチュアが技法を使った映像制作を行う)
  6. その技法を利用した映像作品紹介(その3)
  7. テクネ・トライ(プロが技法を使った製造制作を行う)

 テーマとなる技法それ自体もとても興味深いのですが、この番組のキモは「テクネ・ワークショップ」にあると私は考えています。
 と言うのも、このコーナーがあることで、以下の二つの効果が生まれていると考えているからです。

  • 視聴者に「自分もできるかも」と思わせることができる
  • プロの作品が持つクオリティをより強く感じられる

 ワークショップで使われているのは、主にiPhone/iPadです。現在、スマートフォンの普及率は約6割と「つくってあそぼ」で使われる、ハサミ・ノリ・牛乳パックetcの普及率には若干劣ると思いますが、手の届かない専門機器ではありません。(もちろん、実際には機材や映像編集ソフトなども必要になると思います。)
 これがあることで、紹介された映像に対する傍観者の立場ではなく、自分自身が映像の製作しうる人の立場で、プロの映像を鑑賞することができます。
 そうすると何が起きるでしょうか。番組内で紹介されるプロの作品を観る視点が変わります。
「へー。すごいなぁ。」で終わるのではなく、「どのようにして撮っているのだろう。」「自分だったらこのアイデアを思いついただろうか。」などと、一歩踏み込んだ鑑賞のスタイルになり、プロの作品がもつクオリティをより強く感じることができるのではないでしょうか。
 小さい頃からこの番組に慣れ親しんだ世代が大きくなれば、将来はもっとおもしろい映像が生まれるのかと思うと、今から楽しみです。私の目が黒いうちにぜひ。