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2008/11/05

ロン

 飼っていた犬が死んでしまったので、僕は今とても悲しい気持ちでいる。
 犬種はシーズー。名前はロン。享年15歳くらい。正確な年齢は忘れてしまった。いちいち年の数なんて数えてられない。その犬はしばらくの間僕と一緒にいて、そしてもういなくなってしまった。
 直接的な死因は肺に水がたまったこと。間接的には老衰。僕が外にいる間に犬は病院へ行き、意識が無くなった。母親から電話があって、治療が難しいから、麻酔をかけるけどいいよねと聞かれたので、いいと答えた。しばらくしてからメールがあった。病院へ行くけど来るかと聞かれた。いいと答えた。またメールがあった。火葬は今日でいいかと聞かれた。いいと答えた。
 ここまで、全て伝聞。だから僕は犬が死んだことを確かめていない。ひょっとしたら死んでいないのかもしれない。原作が東野圭吾だったら犬はたぶん死んでいない。でも犬が死んだと聞かされてから今日までどこを探しても犬の姿が見当たらない。
 いつも犬をどかしてから座っていた座椅子はずっと空いている。夕飯をこぼしても誰も飛び込んでこない。そういえばいつの間にか水を入れた皿がなくなっている。
 帰納的に結論を導き出すと、やはり犬は死んでしまったようだ。たぶん二度と僕の前には現れない。だから僕は今悲しい気持ちでいる。

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