その隣に僕の褐色の肌を横たえるとき、
僕は心の底から幸せを感じる。
無機質な電子音で叩き起こされたばかりの君は
全身から湯気が出そうなくらい不機嫌だけど、
その瞬間の君が一番美しいことを僕は知っている。
君はいつも一番にベッドに飛び乗り、
僕は後からのそりとついて行く。
隣に寄り添うこともあれば、
上に覆いかぶさったり、
或いは君に包まれてみたり。
君と一つになっていると、
それまで別々だったことが不自然に感じてしまう。
君と一つになって初めて、
僕は僕でいられる。
でも僕は知っている。
僕には君しかいないけれど、
君は別に僕じゃなくても構わないってことを。
知っているけど、
僕は何も言わない。
僕にはどうすることも出来ない。
だから君も何も言わず、
僕をただ一晩寝かして欲しい。
もっと君にふさわしくなるはずだから。
ーーカレーの恋文