実は、今回交代の憂き目に遭ったイヤフォンは既にiPod付属のものではありません。初代のイヤフォンがその最期を迎えたのは今年の二月。久々に実家に帰った僕を母親が車で迎えに来てくれた時のことでした。
家まで10分程度の道すがら、久々のマミーと気の利いたトークでもしようとそれまで着けていたiPodをマイポッケにしまいこみました。そして車内で軽妙なトークをした後に家に到着、するとあら不思議、ポッケにしまったはずのiPodがありません。
鞄の中も机の下も探したけれど見つからないので、母親と踊ろうかと思いましたが、ウフッフー。もしやと思って駅まで戻ってみました。
ついさっきまでいた駅のロータリーには人の影は見えません。ただ客待ちのタクシーだけが最終電車の到着を息を潜めて待っていました。ロータリーの少し手前に車を止めて、恐る恐るさっき僕が乗り込んだ場所に近づいてみると、街頭の光がちょうど切れるあたり、黒いアスファルトの上に白い物体が。そこには車に踏み潰されて無残に砕け散ったイヤフォンと、奇跡的に無傷のiPod本体が転がっていたのでした。
運よく本体だけはタイヤの下敷きを逃れたのか、それとも本体が車に耐えられるほど頑丈なのかは不明ですが、九死に一生を得たiPod本体は今でも僕の手元にあります。ただ、イヤフォンだけは粉々です。粉々のイヤフォンで音楽を聞いても音割れもしそうだったので結局買い換えたのでした。
こうして二月から八月まで二代目のイヤフォンを使っていたのですが、このイヤフォンが、コードの長さがそのままだと短いけれど、ジョイントコードをつけると長すぎるという鞄に短し胸に長しという代物で、不便この上ありませんでした。特に胸ポケットや内ポケットの無い服を着がちな夏場は不快指数も特に高いので、思い切って買い換えた次第です。
ところでiPod付属のイヤフォンは音が悪いなんて噂をたまに耳にします。聞いたことが無いという人はきっとiPodばかり聞いているのでしょう。そこで、今回本体変わらず三つのイヤフォンを愛用した僕の豊富な経験から意見を言わせてもらいます。別に変わりません。と言うか僕には分かりません。
僕は基本的に違いのわからない男なので、吉野家と松屋の牛丼の味も分かりません。食べてる途中でこれが牛丼だったか豚丼だったかもわからなくなります。そのうち今日の夕飯を食べたかどうかも分からなくなるのでしょう。そんなときに、僕のボケ(痴呆)にツッコミが入る楽しい家庭を気付き上げたいものですね。