だがいざ外に出てみてもやることが無い。陽気だけを頼りに一日を過ごせるほどには歳を取っていないが、さりとて空想だけで遊べるほど幼くも無い。
宙ぶらりんな心地のまま、つり革にぶら下がって梅田に出てきた。
梅田の街にももはや目新しさは無い。ヨドバシの人ごみや、ビルの上で回る観覧車や、鉄板の上で回るたこ焼きに目を奪われるようなことはもう無い。
そんなやるせない休日を迎えたとき、どうするべきか。
なんでも自分に放り込むべし。
美味いものを放り込む
牛丼屋やハンバーガー屋やサイゼリ屋ではなく、家の近くにある小洒落たカフェへ行ってみよう。中には家族連れとマダムがいるかもしれないが怯んではいけない。「オリーブオイル」などという単語を発する小学生に動揺してはいけない。昼飯に1,000円つぎ込むことを嘆いていけない。「これは昼飯じゃなくてランチだ。別物だ」という強い気持ちを持ち続けよう。
良い文章を放り込む
良い本を読もう。ただ残念ながら良い本かどうかは読んでみないとわからない。本は図書館で借りよう。コストとスペースの削減になる。
などと言いつつ、百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))(Amazon)
美しい景色を放り込む
夜を待ち、高いところに登ろう。大阪人は梅田スカイビルに急げ。
映画を放り込む
二時間潰れるし、ひょっとしたら感動するかもしれない。と言いつつ僕はほとんど映画を見ないのだが、珍しくこの一週間で『ダイ・ハード4.0』『RAIN MAN』『硫黄島からの手紙』『ダージリン急行』と4本映画を見た。個別の感想はさておいて、連続で見るといろいろ想像が膨らみますね。
マクレーンが戦っている間にレインマンは停電でたいそう困っているだろうとか、レインマンの父親は硫黄島に行ったかもしれないとか、この間もダージリン急行の兄弟はインドを旅しているかも知れないとか。
それにしても映画は高過ぎるので、図書館でDVDを借りるか、金券ショップかレイトショーを活用のこと。
『ダージリン急行』はなかなか良いので、大阪人は梅田スカイビルに急げ。レイトショーで1,200円だ。